シンガポールとマレーシアの国境を越える(その2)

tabino_konomi2009-02-04



 すみません〜。またもやだいぶ間が空いてしまいましたが、前回のマレーシアとシンガポールの国境越え第2弾です。前回は鉄道と飛行機について書きましたが、今回はバスの話です。


なお、前回はシンガポール⇔クアラルンプール(マレーシア)を想定していましが、ここでの国境越えはシンガポールジョホールバル(マレーシア)を想定しています。


前回のエントリーはこちら→
http://d.hatena.ne.jp/tabino_konomi/20080917/1221656188


関連する連載の記事はこちら→
http://journal.mycom.co.jp/series/travelguide/009/

ジョホールバル「まで」行くのか、ジョホールバル「より先」に進むのかで変わるバス路線

*シンガポール側から
シンガポール側からジョホールバルに行くには、大きく分けてジョホールバル市内にある「コタラヤ2・バスターミナル」路線と、ジョホールバルの市外にある長距離用バスターミナル「ラーキン・バスターミナル」までの路線の2つがあります。


ジョホールバルからどこかへ(クアラルンプールやマラッカなど)行く場合は、ラーキン・バスターミナルに、ジョホールバル市内で観光などする場合は「コタラヤ2・バスターミナル」に着くとその後が便利です。もし、間違えたターミナルに行ってしまった場合でも戻ればよいだけですからそれほど気にする必要はありません。ただし、自分がどちらのバスターミナルに行くべきかは覚えておくとよいでしょう。


まずは、バス運行会社の簡単な説明を。ジョホールバルまでは、次の3種類のバスがあります。

  • SBS Transit、SMRT=シンガポールの路線バスの1つ。乗車にはMRTなどでも使える非接触のEZ-linkカードの利用が可能だが、基本は公共バスなので混んでいることもある

そして、シンガポールからのバスを乗る場所は大きく分けて4つあるのですが、それぞれの始発停留所からどちらのターミナルに行くバスが出ているのかを書いてみます。なお、どのバスもかなり頻繁に便が出ているので、昼間であれば、15〜30分ごとぐらいに乗れると思います。

*「コタラヤ2・バスターミナル」へ行くには

  • MRT Jurong East駅(East West Line)から

   SBS Transit 160(Kranji駅経由)

  • MRT Woodlands駅(North South Line)から

   SMRT 950

  • MRT Kranji駅(Noth South Line)から

   SBS Transit 170(青プレート)
   SBS Transit 160
   CAUSEWAY LINK CW1(コタラヤ2・バスターミナル経由でラーキン・バスターミナルへ)

*「ラーキン・バスターミナル」へ行くには

  • クイーンズストリート・バスターミナル(MRT Bugis駅近く)から

   CAUSEWAY LINK CW2
   SBS Transit 170(赤プレート、MRT Kranji駅経由)
   星柔快車 Singapore-Johor Express

  • MRT Kranji駅(Noth South Line)から

   SBS Transit 170(赤プレート)


*マレーシア側から
上記の復路を使う


*運賃
CAUSEWAY LINKと星柔快車はクイーンズストリート⇔ラーキンで片道2.5(シンガポールドル/マレーシアリンギット*1


*イミグレーションの流れ
まず、シンガポール側では「Woodlands Check Point」と呼ばれるイミグレーションに着いたらバスを降りて出国審査を受けます。その後バスに戻りますが、同じ車体のバスである必要はなく(イミグレーションで止められる可能性もありますし……)、乗り遅れてしまっても、同じ路線(170番とか、CW2とか、自分が乗ってきた路線)の来たバスに乗ればOKです。その際にイミグレーションまで乗って来た証拠として、バスの乗車券が必要になるので、必ず手元に用意しておいてください(SBS TransitとSMRTでEZ-Linkカードを使った場合は分かりませんが、もう一度かざして課金されるのかもしれないです。曖昧ですみません)。

バスに乗ると、コーズウェイを通って対岸のマレーシアに到着します。マレーシア側のイミグレーションでは、同じくバスから降りて入国審査を受けます。その後、再びバスに乗って、コタラヤ2かラーキンのバスターミナルへと向かいます。その際に乗るバスは、上記のとおり同じ路線です。

マレーシアからシンガポールに向かう際は、この逆になるのですが、シンガポール側のカスタム(税関)がかなり厳しく、私のすぐ前にいた日本人の男性はタバコが見つかってましたので、注意です(シンガポールでは、タバコ1本の持ち込みから税金がかかります)。

*所要時間
道やイミグレーションの混み具合にもよりますが、おおむね2時間を見ておけば大丈夫でしょう(もっとかかる時もあるかもしれませんが)。

*行き先が違うバスに乗ってしまったら……
なお、イミグレーションでは私営(星柔快車、CAUSEWAY LINK)のバスから公営(SBS Transit)乗り換えることも可能です(ただし、運賃はもう一度支払わなくてはなりません)。例えば、コタラヤ2に行きたかったのに、間違えてラーキンに行くバスで国境を越えてしまった……という場合は、イミグレーションで乗り換えることが可能です(タクシーも拾えるようです)。公営から私営は試したことがないのですが、恐らくそれも可能だと思います。

注意したいのは、シンガポール側から来た場合、マレーシア側のイミグレーション以降ではマレーシアリンギットでの支払が求められること。EZ-Linkカードを持っている場合はそれを使ってSBS TransitかSMRTのバスに乗れるのですが、もし、マレーシアリンギットもEZ-Linkカードも手元にない場合は、あきらめて乗ってきたバスでマレーシア入りしてください(もちろん体験あり)。あと、バスでは小銭が用意されていないことも多いようなので、細かいお金を持っていた方がよいと思います(困っていたら、運転手のおっちゃんが両替し
てくれたことがありました)。

もう1つの国境、セカンドリンクを経由する

上記で紹介したバスの路線は、すべてコーズウェイを使った国境越えです。コーズウェイとは、マレーシアとシンガポールの間を結ぶ橋(実際には土手ですので、純粋なる橋ではありません)です。シンガポールからジョホールバルの間にはコーズウェイに加えて「セカンドリンク」と呼ばれる橋もあります(こちらは純粋に橋なのかは不明ですが……)。コーズウェイは常に渋滞しており、特に朝・晩や、休日の交通量はかなりのもので、それを緩和するために作られたのがセカンドリンクです。

セカンドリンクを通るバスに、私はまだ乗ったことがないので体験記はありませんが、判明している限りのバスの路線を記しておきます。

  • MRT Jurong East駅からコタラヤ2・バスターミナルまで

   CAUSEWAY LINK CW3(Gelang Patahで乗り換え)

  • セカンドリンクのマレーシア側イミグレーションからすぐの町(Gelang Patah)からラーキンバスターミナルまで

   666(情報がないのですが、恐らくマレーシアの路線バス)

セカンドリンクに関しては、私も知識があまりないのですが、使用された方の体験記などを見ると、CW3であってもマレーシアイミグレーションからすぐの町Gelang Patahというところで乗り換えが必要になるようです。また、接続もあまりよくないとのこと。
CW3を使った場合は3.5(シンガポールドル/マレーシアリンギット)だそう。

乗り合いタクシーで国境を越える

これでバス路線は多分網羅できたと思うのですが、簡単にタクシーの話をして最後にしたいと思います。タクシーは1度だけ使ったことがあるのですが、あまり記憶がないので、運賃などは詳しく覚えていません。次に行ったときに、またチェックしてみようと思います。

シンガポール側では、クイーンズストリート・バスターミナル(MRT Bugis駅近く)にジョホールバル行きのタクシースタンドがあります。実は、シンガポールからマレーシア(その反対も含む)へ行けるタクシーというのはライセンスが必要で、このタクシースタンドから乗れるものは、そのライセンスを受けているタクシーです。タクシーでは、マレーシア側のラーキン・バスターミナル、またはPlaza Seni(ジョホールバル市内)まで行けます(乗る際も、この2つのどちらかから)。

運賃は1人8シンガポールドル(Plaza Seniまで)ぐらいだったと記憶しているのですが、今はもっと上がっているかもしれません。また、マレーシア側からは乗ったことがないので不明ですが、古い情報によると、10マレーシアリンギットとありました(たぶん値上げされていると思います)。なお、タクシーで国境を越える場合は、タクシーの窓から入/出国審査を受けられるので、とても楽です。
タクシースタンドでは、日本人が1人だと1台貸し切りを勧められますが、運賃が4倍になるので(それでも安いけど)、「乗り合いで行く!」と言えばそっちにしてくれます。

所要時間はバスよりは確実に早いのですが、道が混んでいる場合はかなりかかると思います。

国境越えの最新情報

以前、国境越えの話を書いた際に、徒歩でコーズウェイを渡れると書きましたが、2008年12月16日に、マレーシア側のイミグレーションとして、Sultan Iskandar Complexと呼ばれる新しい建物がオープンしたようです。これに従ってコーズウェイの徒歩での出入国は禁止されました。


また、マレーシア入国の際は、これまでパスポートに押されるスタンプが1つだったのですが、2つ押されることになったようです。1つは入国日、もう1つは滞在可能期限が書いてあるとの情報が入っています。たまに1つしかスタンプを押されない人がいて、出国の際にもめるようなので、入国の際は注意してくださいね。

マレーシア(ジョホールバル)とシンガポールの国境越えは、日帰りで楽しめますので、ぜひチャレンジしてみてください。バスの路線がたくさんあって混乱しますが、どれかに乗ればジョホールバルに行けますし、どれかに乗ればシンガポールに行けます。それぐらい軽い気持ちでトライするのがよいと思います。

だたし、国境越えになるので、パスポートは忘れずに!


なお、一番バスの便が多いのは、クイーンズストリート・バスターミナルですが、ここから出るバスは基本的にラーキン行きです。私も最初は良く分からず、ここからCW2に乗ってしまったのですが、ジョホールバル観光をしたかったのでラーキンに行く必要がなく、イミグレーションでSBS Transitのバスに乗り換えるハメになりました。「ジョホールバルに行くならクイーンズストリートからバス!」
と思い込んでいると、私のように痛い目に合います(笑)。

実際の連載はすでに国が2つ先に行っているんですけど、次回もまだマレーシアの話を続ける予定です。クアラルンプールからマラッカ、ジョホールバルからマラッカへの行き方について書いていきたいと思っています。のろのろの更新で本当に申し訳ないのですが、その合間に適当なニュースやTIPSをはさんでいけたらと思ってますので、これからもよろしくおねがいいたします。


KLIAのLCCT(エア・アジア用ローコストキャリアターミナル)。なんだか人がわらわらいるし、鉄骨がむき出しで、バラック小屋のようでした(笑)

*1:マレー鉄道のときも思ったんですが、数字は一緒なのに貨幣単位が違うので、マレーシア側からの方が日本円に換算したときは安くなります。SBS Transitは使ったことがないので分からないのですが、恐らく同じかこれより安いと思います。しっかり調べてなくてすみません。