いろいろと(その1:台湾と私)

台南で見つけた「怪獣茶房」。意味不明


 わー、気がつけばこのブログを忙しさなどを言い訳として、放置しっぱなしでしたね……。

 毎年そうですが、去年は日本だけでなく、私自身に色々なことが起きて、激動の1年だったなぁと思います。今年はどうなることやらと思いながら、去年よりはよい年になればいいと思いつつ、ちょっとした振り返りなどを。

台湾になんと20回も入国

 ここ数年の台湾熱がもっともヒートアップした去年ですが、なんと、入国回数を数えてみると、20回という(正確に書くと、入国というのは、単にトランジットで入っていることもあるので……)、恐ろしい1年でした。台湾の友達ともずいぶん親しくなって、友達の実家に泊めてもらったり、一緒に小旅行をしたりと、日本にいるときとあまり変わらない過ごし方をするようになりつつあります。
 昨年の台湾旅行の回数が異常に増えたのは、東日本大震災後の台湾からの義援金に対する感謝の気持ちを私なりに表したかった(台湾でお金を落とす)というのもあるのですが、それ以上に台湾という国が自分の中でやっと外国から内国*1へと変わりつつあるからというのがあります。ただ、内国へと変化するに従って、考え方の違いであったり、文化の差というのが浮き彫りになってきていて、今まで単なる観光客として訪れていた(未だ身分としては観光客ですが)頃とは、台湾に対する、自分の見方や考え方を掘り下げる必要が出てきたと感じています。とはいっても、私個人としては、これらの事柄とはこの先も正直に向き合いながら、ゆっくりと理解していければと強く願っています。

 もともと私が本格的に台湾にのめり込むようになったのは、台湾のあるミュージシャンに興味を持ったのがきかっけなのですが、その頃から、台湾自体に興味を持つようになっていました。その一環で、ふとしたきっかけで、台湾に住む台湾の人らと友達になり、今に至るというわけです。そんなこともあり、最近は台湾に行っても、全くといっていいほどガイドブック的な観光をすることはなくなりました(行きたいところが段々なくなったともいう・笑)。友達と会って、「あんなことがあって」「こんなことがあって」と近況報告をしたり、一緒にご飯を食べに行ったりと、日本にいる日本人の友達と変わらない付き合いをするようになりつつあります。もちろん、台湾内を小旅行すれば観光もするのですが、このあたりは、実際のところ「台湾だから」という感じではなく、日本国内での温泉旅行みたいな感覚になっていて、どんどんボーダレス化が進んでいると思う今日この頃です。

 ずっとこのブログでも台湾の話を書こう、書こうと思っていたものの、すでに客観的に台湾を見れなくなりつつあるので、あまり書きたいことというのが実際はありません。何かテーマを絞れば、かなり面白いこともかけそうな気がするんですが、なかなか気持ちが動かないんですよね。他の国だったら、ある程度、観光に役立つような情報などをすぐに思いつくんですが。んー、強いて言えば、他の国と同じく、宿情報かな? 昨年は、台湾のホテル(特に台北)に色々と泊まったので、どのあたりがおススメとかぐらいだったら書けそうな気がします。あと、地方でおススメの民宿なんかの話も書いてみたいですね。中でも台中や台南、高雄あたりには、かなり日本人が泊まっても楽しいと思えそうな民宿(英語で言うと、B&Bっぽい感じ)のようなものが多々あるんですよ。ただし、言葉が出来ないとかなり苦しいと思うので(英語ができる人も多いので、ガッツで泊まるというのもありですが)、そのあたりが難だとは思うんですが、こういった宿に泊まると、台湾のまた違うところが発見できそうな気がします。

 その反面、一番書くのが難しいと思っているのが「食」です。大抵ガイドブックには、日本人にとって、台湾の食べ物は口に合うなどと書かれているのですが、私、実はあまりそう思っていません。確かに、台湾の食べ物としてステレオタイプとも言える小籠包やカキ氷、豆花などのデザート、マンゴーなどの果物などは、日本人が食べてもおいしいと思えるのはわかりますが、それ以外に関しては、かなり人を選ぶと思っています。一番大きいのは香辛料の使い方が日本とは大きく違うということかと思っていて、台湾で使う香辛料には、日本で通常あまり使われないものも多いので、それが人を選んでいるような気がするんですね。私はもともと、日本にいても、どの国に行っても、特に食を選ばない人間で、自分なりの「おいしい」の基準があるのですが、「日本人」に限定すると、台湾は意外とストライクゾーンは狭いと思っています。まあ、これは台湾だけに限らない話なんですが。

 てな感じで、今年はもう少し、旅の話などを交えながら、昨年よりはこちらも更新していこうと思っています。それと、もう少し旅のお仕事をしようかと思っていますので、もし何かありましたら、ぜひお声がけいただければと思っています。

 どうぞ、今年もよろしくお願いいたします!
 

*1:内国というのは、私が個人的に使っている単語で、正確な日本語ではありません。外国はあくまでも私にとっては「外」なのですが、その国に何度も滞在して国自体を知るようになったり、その国の人と親しくなることによって、「私にとって〜である国」と、自分なりに定義ができるようになってきます。すると、その国は「外国」から私にとっての「内国」へと変わるのです。

今さら更新してみたりして……

みなさん、お久しぶりですって、継続して見ていただいている方もあまりいないと思いますが、なんとなく久しぶりに更新をすることにしました。
ここに書いたことはなかったと思うのですが、私の仕事というのは出版関係です。平たく言うと、編集者という職業になるのですが、いままでこのブログで散々書き散らしていたことなどをベースに、羽田空港から行く週末海外旅行というテーマの書籍の企画&構成と、編集をお手伝いさせていただきました。

もし、よろしければ、本屋で手に取ってみてください。

私がここ数年、試行錯誤しながら週末海外旅行をしつつ考えた「サラリーマンのための週末海外旅行」のオキテ的なものを、まとめてみたという感じです。恐らく、「こんなこと知ってるよ」とか「大したこと書いてないじゃん」と思われる方もいるかもしれません。旅なれた方になればなるほど、知りたいだろうと思われるブッキングクラスに関しても、インボラに関しても、FFPの上級会員に関しても、あまり触れていません。でも、私が週末海外旅行をするようになってからずっと思い続けてきた「サラリーマンだからこそできる週末海外旅行」への第一歩を踏み出すための、さまざまなアイデアやプランを沢山詰めてみました。そして、私のようにある意味航空券やホテル沼(笑)に足を踏み込んでいる方にとっては不要な情報ばかりだともいえます。私がこの本を作ったときに念頭においていたのは、そういった「航空券とかホテルとか、自分の経験やステータスを使えばなんとでもなる人」ではなくて、「行きたいけど、週末で海外なんてありえないと思っている人」に、実際のところはどうなのかということを知ってもらいたかったのです。

「忙しいサラリーマンである自分は、海外旅行なんてしたくてもできない」。私もずっとそう思っていましたし、正直そう思い込んでいました。特に若い頃のバックパッカー体験があったからこそ、踏み出せなかったという背景もあります。でも、今はその考えは間違っていたと自信を持って言えます。また、地方の方であっても、羽田便が沢山ある場所であれば、週末+1日で週末海外旅行を楽しむことは夢ではないはずです。ただし、週末に海外を旅行するからこそ、障害となることがあるというのも事実です。そして、不服なことに折り合いをつけたり、お金で時間を買ったりすることも時には必要です。しかしその一方で、いわゆる底値での旅行と言うのは基本的に難しいので、費用対効果を高めること、つまり払ったお金に見合った、もしくはそれ以上の何かを旅から得ることも大切だと思います。そういったことを含めて、自分で納得のいく旅を作れるようになれば、単に安いだけの海外旅行とは違う、週末海外旅行ならではの価値が見えてくると思います。

ただ、旅行というのは、お金がかかる趣味です。まして海外旅行は国内旅行よりもお金がかかります。それでも私は、週末だけでもいいから海外旅行がしたいけど……と思っているのなら、ぜひ一度週末を海外で過ごしてみてほしいのです。それでもうイヤになってしまう方もいるでしょうし、意外と楽しいからまた行きたい!と次なるプランを練る方もいるでしょう。そして、そういった結論は、実際にやってみないと下せないものではないでしょうか。

それではみなさん、よい旅を!

羽田空港から行く週末海外!

羽田空港から行く週末海外!

更新できてないです

 常にあやまってばかりいるんですが、なかなか新しい記事をアップできずにすみません。色々とネタはあったりするのですが、なかなか書いている時間がなくて見ていただいている方には申し訳ないです。相変わらず、ブッキングクラスで見ていいただいているケースが多いようなのですが、今年から少し変わっているので、そのアタリも反映しないとな〜という感じ。

 何回か紹介しているのですが、Twitterではほそぼそと旅に関するいろいろをつぶやいているので、もしよければそちらをご覧ください。今年は去年ほど旅はしていませんが、新たなルートの開拓などをしてまして、1回の旅で得られるものに対する効率はよくなったと思います……。

 とりあえず、今年の夏過ぎには、新しいことも始められるかなーというところで、ほそぼそと更新はしていきたいと思ってます。よろしくお願いいたします。

 

[TIPS]AirAsia X搭乗記(その2〜AirAsia Xは意外と快適!)

tabino_konomi2010-04-26

 ひゃーすみません! ほんとまたもや間が開いてしまいました!が、前回の続き、AirAsiaの長距離路線、AirAsia X搭乗記です。

AirAsiaの2レターコードは3種類!

 今回搭乗したAirAsiaですが、3つのグループ会社に分かれているという話は前回もしましたが、このグループ会社によって、フライトの2レターコードが変わります。

  • AirAsia=AK
  • Thai AirAsia=FD
  • AirAsia X=D7

 私が使ったのは、KUL(クアラルンプール)-TPE(台北)のAirAsia Xです。現在AirAsia XのKUL-TPEは毎日1往復が就航中です。運賃は燃油サーチャージや諸税などすべて込みで片道619.50マレーシアリンギットで、その当時のレートで約1万8000円でした。所要時間はタイムスケジュール上で4時間50分(実際はもっと短かったですよ)なのですが、それを2万円以下で飛べるこのあまりの価格の安さに驚きを隠せませんでした……。ちなみに、このチケットは出発の前々日に予約発券しているので、もっと早いタイミングで発券していれば、さらに安くなる可能性がありますし、バーゲンフェアをゲットできれば、かなりのお得プライスで航空券が手に入れられるのかもしれません。

意外と快適なシート!ただしリクライニングはおまけ程度w

 さて、今回利用したAirAsia X便の機材は、Airbus A330-300でした。アブレスト(席の並び)は3-3-3で、通常のAirbus A330-300で採用されている295席よりも多い383席を配しているようです。
 確かに座席と座席の間は左右前後ともにやや狭いという印象を受けましたが、私はそれほど体が大きくない方なので、特に辛くもなく意外と快適。また、AirAsia Xの機材の内部はかなり新しい装備を施しているようで、各座席に備えられているシートモニタの液晶パネルも高精細なものが使われており、全体的に新しくてキレイという印象を受けました。
 ただし、座席のリクライニングは心持背が倒れるという感じで(座席間が狭いから当たり前なんですけどww)、ほぼ直立不動な姿勢にて飛行することになります。今回は4時間強というそれほど長くないフライトだったため、それほど気にならなかったのですが、AirAsia Xの長距離路線となるロンドンやゴールドコースト、パース、メルボルンなどの場合はちょっときつそうですね(恐らく私は今後使う機会がないと思いたいのですけど……)。
 LCC系の航空会社はノーフリル(no frills)とも言われるように、機内食やアメニティなどのサービスが一切ないことが多いです。さらに、荷物の預け入れも同じく有料となることがほとんどです。Air Asia Xも例に漏れず、お水1杯から有料でした。また、支払いは現金のみ(マレーシアリンギット+数種類の貨幣が使えたと思いますが、詳しくはWebサイトなどでご確認ください)、クレジットカードは現状使えませんでした。なお、これらの機内食やアメニティなどは、事前に予約すると割引サービスもあるので、必要な方はお忘れなく。

 と、簡単にAir Asia Xの搭乗記を書いてみましたが、この価格であれば非常にお得であるというのが私個人の正直な感想です。特に、日本人である私にとって、わずか2万円以下で国内で飛べる場所がどれだけあるのかということを考えると、その価格で国際線に乗れてしまうLCCの価格の安さには感心せざるを得ないというところです。
 ただ、今回なぜこの便に乗ったのかというと、Air Asia Xを使いたかったからではなくww、マレーシアをはじめとするシンガポールベトナム、タイなどの主要空港からのメジャーキャリアの日本線に空席が見つからなかったからです。今年3月の連休の最初のころだったのですが、あり得ないほどに混んでいたことが不思議でした。

LCCに乗り遅れそうになったらどうなる?

 さて、前回も書きましたが、今回の旅ではAirAsia系のフライトを2回使いました(AirAsia&AirAsia X)。どちらもKULにあるLCCT*1からの便だったのですが、なんとその2便とも、出発時間の1時間を切ってからの空港到着となりました*2。実際のところ、実は到着したのはどちらも30分前を切っていたのですが(この時間に到着すること自体があり得ないですよ!本来は!!!)、まずはまだInfomation用のスクリーンに出ていた番号のチェックインカウンターへ向かいます。すると、もちろんカウンターはすでにクローズしていました。そのカウンターあたりにいる人に、焦った様子で「●●行きに乗るんですけど遅れちゃって、どうしよう……(英語です、一応)」と伝えると、必ず「●●番のサービスカウンターへ行け」と言われました。
 このサービスカウンターというのは、どうやらこのようにギリギリの乗客などをさばくため(本来は違うと思うのですが……)の場所のようで、焦っている私をひと目見て「どこ行き?!パスポート!」と間髪いれずに聞いてきます。こちらもそれに「●●!」と行き先を告げながらパスポートを出すと、さささっと搭乗券を出してくれました。
 そこからイミグレーション&セキュリティチェックをとおって搭乗口まで進むのですが、走らないと間に合いそうもありませんでした。途中で呼び出しのアナウンスが入ったのでさらに走ると搭乗口に10分前ぐらいに到着し、なんとか無事飛行機に乗ることができました。ただし、ボーディングブリッジを使って飛行機に乗るわけではなく、長い渡り廊下のような通路を走って、タラップを駆け上がらないとならなかったため、かなりしんどかったです。また、AirAsia Xに関しては、たまたま私が使った便が少しディレイしたので、特に問題なく乗ることができましたが、搭乗口自体もAirAsiaとは違うものを使っており、あまり遅い場合は恐らくアウトになりそうでした。どちらの便も座席指定が先にされているので、席がなくなるということはなく、無事指定された席に座ることができよかったです。なお、チェックインの荷物がどちらもあったのですが、サービスカウンターでチェックイン時に預けることができ、どちらの場合も荷物だけが乗り遅れることもなく、無事に目的地まで到着しました。
 というわけで、一応出発時間の30分前ぐらいまでにチェックインすれば(サービスカウンターでのチェックインになるようです)、なんとかなるという例です。ただし、何度も書いていますが、私が飛行機に乗れたのは運がよかったからです。例えばオーバーブッキングしている場合などは、間違いなく撥ねられると思いますので、そのあたりはご注意ください。

 というわけで、AirAsia Xの搭乗記と、乗り遅れそうになった場合の例を書いてみました。
 それとすっかり告知するのが遅くなってしまったのですが、現在発売中の日経トレンディ5月号日経BP社刊)の巻頭特集「得する旅行術」の中にある「週末海外旅行」のページ(2ページだけですのでそれほど期待されないでください……)にて、取材を受けました。恐れ多いながら私のコメントなども少し載ってるので、もしよろしければご覧ください。このブログでも散々書いた福岡発の海外線の話などをさせていただきました。
 ご存知の方も多いと思いますが、10月には羽田空港から国際旅客定期便が復活します。それに向けても色々調べておりますので、おいおいご紹介できればと思います。

5/3に以下の写真を足しました。


高精細なシートモニタ。ただし、エンターテイメントなどを楽しむには、別途お金が必要になる様子でした(Flight Pathなんかはおそらく無料。ただし、いろいろ機能を選んで見ても、使えるのがあるんだかないんだかよくわかりませんでした)


自分の座席から前を見た感じ。そんなにギューギューという印象は受けません。


シートはこんな感じ。見るからにリクライニングしなさそうに見えませんww??

 では、また!

*1:AirAsia専用のターミナルで、同じ滑走路を使うにも関わらずメインのクアラルンプール国際空港からは少し離れた場所にあります。ただし、今後LCCTはクアラルンプール国際空港のそばに移転することが決定済みです

*2:AirAsiaがカウンターをクローズするのは、出発時間の1時間前です

AirAsia X搭乗記(その1〜LCCの登場とAirAsia)

tabino_konomi2010-04-05

 私事で恐縮ですが、4月1日をもって部署移動や組織変更などがあり、今年は去年ほど旅ができなそうな予感(涙)。それもあったので、つい先日はどっかーんと旅行をしてみたのですが、帰ってきてからは鬼のような忙しさで、トホホ……。
 そして、すでに結論があって、今年は去年よりも旅の回数を減らさざるを得ないというのが現状です。まあ、サラリーマンをやっている限りはしょうがないことです。誰かのように「旅とは人生であり、人生とは旅である(反対だっけ?)」と言ってみたいものですが(笑)、やはり私にとって旅は趣味であり、旅とはあくまでも私の趣味に過ぎません。悲しいがな、稼がないと旅には出られないので、仕事なしに趣味は成り立たないというわけです。とはいうものの、うまく休みを使って今年も出来る限り旅に出たい!と思う今日この頃です。
 さて、先日の旅行では、初めてマレーシアのLCC、AirAsiaの中/長距離路線となる「AirAsia X 」に搭乗しました。AirAsia Xが気になる方もいらっしゃると思いますし、そもそもLCCってどうなの?って思っている方もいるかと思いますので、解説と搭乗体験記を2回に渡って書いてみようかと思います。初回の今回はLCCとAirAsiaの話!

そろそろ本格的に日本にもLCCが入る予感!

 さて、まずはLCCの解説から。突然LCCといわれても、それがいったい何のことやらわからん!という方もいらっしゃると思うのですが、LCCとは英語で"Low-Cost Carrier"の頭文字を取ったもの。日本語に翻訳すると、「低コスト航空路線」なのですが、意訳すれば「格安航空会社」にでもなるのでしょうか? しかし、格安航空会社といってもそれだけではイマイチ内容が通じないと思うので、その意味を説明しつつ、このBlogではLCCの単語をそのまま用います。
 そもそもLCCが生まれた背景には、IATA(International Air Transport Association国際航空運送協会)という航空業界の協会が見過ごせません。この協会は1919年に国際線運行に関わる航空会社や旅行会社などが、航空運賃や輸送などに関する規則を規定するために設立された協会です。この協会に参加している航空各社は航空運賃の協定(IATAカルテル)を結んでおり、長らく航空会社は独断で航空券の価格を引き下げることができませんでした*1
 しかし、1970年代以降のオイルショックによる不況や、大型航空機(いわゆるジャンボジェット)の登場による座席の過剰供給、航空会社の経営状態の悪化(無計画な路線拡大や設備投資の失敗)などにより、大手航空会社はこれまで自らの身を守ってきたはずのIATAカルテル体制を維持できなくなり、自主的に価格を下げざるを得なくなってきました。
 そのような状況の中で生まれたのがLCCおよび格安航空券です。中でも既存の航空会社の経営を圧迫してきた"サービス"を省き、航空券の販売ルートをWebサイトなどの直販にできるだけ頼るという、これまでの常識を覆して徹底的なコストカット行い低価格化を実現したLCCは、IATAカルテルの維持に四苦八苦していた既存の大手航空会社を押しのけ、さらには航空規制緩和の影響もあり、世界においてすでに市民権を得るまでに成長していると思われます。
 日本ではまだ耳慣れないLCCですが、実際のところ、いくつかのLCCはすでに日本に就航しています。先日、燃料費を支払うことができずマカオ政府に営業権を剥奪されたビバマカオ航空もその1つでした。
 日本の空港は世界でも類を見ないほど離/発着料金が高く、さらに日本の航空業界そのものの規制緩和が海外に比べて進んでいないため、日本において本格的なLCC参入はまだないように見えます。しかし、例えば先日開港した茨城空港は、こういったLCCの誘致を行っており、LCCが就航しやすくするためにコストを抑えたターミナルや、ボーディングブリッジを廃した搭乗口などを用意しており、今後はこのような空港も増えることで、LCCの日本市場への参入が進むと思われます。いずれにせよ、日本においては認知度も低く、就航路線も少ないLCCですが、海外において存在感が年々高まっていることは事実です。

東南アジア最大のLCC、AirAsia(エア・アジア)

 今回紹介するAirAsia(エア・アジア)は、マレーシアに本拠地を置くLCCです。ここ数年のうちに東南アジアを旅したことがあれば、AirAsiaを使ったことがある方も多いのではないかと思います。東南アジアは、グローバル的な観点から見ても、LCCが急激に伸びている地域の1つで、その牽引役となっているのがこのAirAsiaです。
 AirAsiaは1993年ごろに航空会社として設立されたようなのですが*2、その後業績が悪化した結果、2001年末にその当時大手レコード会社の役員だったトニー・フェルナンデスに買い取られた後、マレーシアにおいて国内線を主に提供するLCCとして展開を図ってきました。その後、2003年ごろからは国際線を就航させ、2004年にはタイとインドネシアに関連会社を設立。以降2007年には「AirAsia X」のブランド名で国際長距離路線に参入し、今後はベトナムにおいても合弁会社を設立する予定としています。
 現在の就航国は20カ国以上、就航都市はグループ全体で85都市(国内線/国際線含む)以上であり、その規模は東南アジア最大と言えるでしょう。
 AirAsiaの特徴は、なんと言っても航空券の価格の安さです。時期やスケジュールによって大幅に変わるものの、基本的に同じ路線でメジャーキャリアと比較した場合、航空券の価格は半額またはそれ以下ぐらいになるのことが多いようです。また、通常、メジャーキャリアの場合の片道航空券は、もっとも低価格の往復航空券価格を1/2したよりも高価になることが多いのですが、LCCの場合、多くの場合往復の航空券というものが存在せず、片道ずつを買って往復にするというスタイルであることも場合によっては便利です。つまり、LCCの航空券はあくまでA地点からB地点までの運賃という姿勢のようで、これは利用者によっては価格についで魅力的に映ることがあるのではないかと思っています。
 ちなみに、AirAsiaのキャッチコピーは「Now Everyone can Fly(今や誰でも飛べる!)」です。このキャッチピーはこれまで飛行機を使って海外旅行をしたことがなかった人に向けたものであり、さらなるバーゲンフェアも頻繁に出しています。

日本に来るか!AirAsia X

 さて、東南アジア最大のLCCであるAirAsiaですが、先ほど述べたように、現在は3つのグループ会社が存在します。その中でもっとも新しいAirAsia Xは2007年に設立され、クアラルンプール(マレーシア)−ゴールドコースト(オーストラリア)を皮切りに次々と中/長距離路線を就航しており、今後は日本への参入も予定しています。
 これまで海外旅行と言えば、CAによる手厚いサービスが受けられるものという考えがあるかもしれませんが、LCCに関しては一切それはありません。今までの常識を覆すLCCが、日本の市民権を得られるかどうかまではわかりませんが、現在の日本人の海外旅行の考えそのものを変えるきっかけになる可能性を秘めているのではないかと思っています。

 というわけで、今回はLCCとAirAsiaの話でした。あまり旅そのものとは関係ないのかもしれませんが、こういった話を知った上で、搭乗記を読むと面白いのかもしれないなぁと思い、書いてみました。次回はAirAsia X搭乗記です。さらに、先日の旅では2回AirAsia系のフライトを使ったのですが、実はその2回とも危うく乗り遅れるところでした(また〜!)。最近、アクセス解析を見てみたところ「国際線 乗り遅れ」的キーワードでこちらのBlogを見ていらっる方が増えているようなので(これは、本当に意外でした。飛行機に乗り遅れそうになるのなんて、私だけかと思ってたのでwww)、その顛末なども書いてみようかと思います。

 では、また〜!

*1:IATAは空港コードHND=羽田、NRT=成田などの3レターコードなどの制定も実施しています

*2:すみません、このあたりは私も調べ切れませんでした

ASEANを回るのにきっと?!便利なMH ASEAN PASS(番外編)

tabino_konomi2010-03-26


 ひゃー、すっかり間が開いてしまいましたが、すでにアンコールワット+その他の旅行から帰国してます。しかし、どの国もほんと暑かった!! 東南アジア系の国はホテルなどの冷房がガンガンに効いており、屋外と屋内の温度差があるので、なかなか慣れません。週末旅行程度であれば、何とか乗り切れるのですが、今回はさすがに長い期間だったので(年だとも言うw)、思いっきり風邪を引いてしまいました。
 私の風邪の症状というのは、咳はあまり出ないのですが、鼻水がとにかく止まらない(すみません、こんな話で……)ので、ホテルのトイレットペーパーを持参しながら遺跡を見学するという、恐ろしい毎日を過ごしました。でも、久しぶりに1週間超の旅行は、リフレッシュになったのでよかったですよ〜。

ちょっと、ちょっとその回答はないんじゃない……??

 実は今回の旅行では、結局はMH ASEAN PASSを使わなかったので、このPASSは夏前にパパっと使う予定。そんなこともあったので、帰国後やっとのことでマレーシア航空(MH)に電話してみたのですが、結論としてまったく意味不明な回答を受けただけでした。というか、恐らく担当してくださった方が、このPASSの存在を理解していない?だけかと思うのですが、MH ASEAN PASSはどういうものか?と聞いたところ以下のような説明でした。

  • 4区間まで
  • MH以外にもTG、VN、SQなどのフライトが使える
  • 発券時にすべての区間の予約が必要
  • 予約後の変更は一切できない

 で、購入はこの電話でもできるんですか?と聞いたところ、「もちろんですけど、旅行代理店などでも買えますよ」とのことでした。私の聞き方も悪かったのだと思いますが、ちょっと邪険にされてしまったようです。
 ところで、日本語のサイトを見てみると、このPASSの条件は以下のようにあります。

  • 目的地 アセアン各都市
  • 利用航空会社 マレーシア航空とマレーシア航空が運行するコードシェア便*1
  • 有効期間 購入から6ヶ月以内
  • 経路規定 アセアン各都市発着の国際線
  • 予約 第一区間は予約確定済みのこと。
  • 予約変更 変更ごとにUS$25の手数料がかかります。*2
  • オープン券の予約 予約後航空券への書き換えが必要です。(手数料 US$25)*3
  • 経路変更 手数料US$25にて可能。*4

 これ、電話で聞いてる条件と全然違うんですけど……。というわけで、来月にでもどこかアジアでMHの支店にでも行ってもう少し詳しく聞いてこようと思います。
 ちなみに、恐らく電話で向こうが言っていたPASSっていうのは、これのことかなぁ。でも、現在はもう販売されてないし、ちょっと条件も違うのでうーん、よく分からない……。大丈夫なのかしら?日本のMHの支店??ちょっと不安になってしまいました。

それでも実はMHが好きな理由

 とはいいつつも、実は私はMHが大好きだったりします。その理由は、ちょっと田舎っぽいから?かなww。あまり日本ではMHって有名ではないと思うのですが、私はマレーシアという国が好きなので、フラグシップキャリアにも興味があります。で、今回は別切りで何フライトかMHを使ったのですが、SQ*5よりも親しみのあるサービスがとてもよかった(あ、私SQはそれほど好きじゃないんです……)!あとですね、強いて言うとKLIA(KULの空港)のMHラウンジ、とても良いですよ〜。そんな私はEnrich(MHのFFP)にも入っていたりします。ただ、このFFPはあまり使い勝手が良くないので、おススメはしません。しかしMHというのは、アライアンスに入ってないので、MHでの上級会員を目指すには、この独立したFFPに入らざるを得ないんです(マイルだけならNHとかDLとかの提携航空会社に積算可能ですが……)。そんなわけで、この話は次回どこかの国のMHで話を聞いた際にアップデートしたいと思います。6ヶ月でPASSが切れるので、とりあえずミャンマーあたりにでも行ってこようかな。

ASEANって何?

 そういえば、ASEANって何?って話をしてなかったと思うのですが、東南アジア諸国連合(Association of South‐East Asian Nations)の略です。いわゆるEUNAFTAみたいなものです。現在の加盟国は次の10カ国。

 MH ASEAN PASSは、これらの国でMHが路線を持っているところ*6で使えるというわけです。ちなみに、MHが便を持っているのはマレーシア(当たり前)、シンガポールブルネイ、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアベトナムミャンマーになります。
 というわけで、次回はSingapore話の続きでも。個人的には台湾にそろそろ行きたいです……。

 では、また〜!


アンコールワットでの夜明け。ありきたりかもしれませんが、夜明けというのはやっぱり神秘的なものでした。また機会があれば訪れたいと思っています。

*1:これってMH以外は基本的に利用不可ってこと?

*2:変更できるじゃん!!

*3:オープン発券できるじゃん!!

*4:リルートもできるじゃん!!

*5:もともとSQはMHから分離してできた航空会社です。シンガポール自体がマレーシアから独立してできた国ですし……

*6:コードシェアもOKとありますが、MH運行便のみとあるので、実施MH便のみと考えてよいでしょう

とりあえず旅情報!

tabino_konomi2010-03-07


 また出た!ストレートすぎるカテゴリ!というわけで、本来ならMH ASEAN PASSの話を続けようと思っていたのですが、なんと!土曜日はマレーシア航空の日本支社はおやすみでした(がっかり)。だったら、先にシンガポールの話しろよ!って突っ込まれてもおかしくないんですけど、最近、カメラの調子が悪くて、買ったものがまだ撮影できてません。
 こちらも新しいカメラを買った(だって、アンコールワット行くし……)ので、それが着次第着手するとして……、と言い訳ばかりを並べた更新はつまらないので、今日は最新の旅情報の話など。

Twitterは平日毎日更新中

 昨年からTwitterをはじめたということをお知らせしたかと思います。なぜ私がTwitterを始めたのかというと、航空会社やホテル、旅行情報のサイトなどの最新情報をTwitterから得たかったからです。ほとんど個人をフォローしていないので、Twitterっぽい「〜なう!」とか「〜うまし!」みたいなつぶやき(笑)は人に比べると少なめかもしれませんし、仕事の愚痴などもつぶやいちゃったりしてるんですが、それなりに楽しく使っています。
 ところで、私がTwitterからどんな情報を得ているかというと、例えば、航空会社の激安Fareの売り出し告知や、かるーく流れてくるホテルチェーンのCPN(キャンペーン)情報など、いちいちサイトを見に行ってチェックするのが面倒なもの。こういった旅関係のアカウントがつぶやくTwitterの内容は意外と重宝します。それに加えて、RSSでトラベルニュース系サイトを見ているのですが、最近はそういった中から自分で読んで面白かった記事を平日は毎日5本ほどピックアップし、Twitterでつぶやくようにしています。
 自分の英語力ブラッシュアップのためにも、英語サイトを多くピックアップしていますが、それは英語力のためだけではありません。概して日本にはそういった「旅行」をテーマにしたニュースサイトというのがほとんどないので、海外の情報を頼らざる得ないという側面もあるのです。しかし、海外のトラベルニュース系サイトの記事は、かなりバラエティに富んでるかつ、情報も早いです。どんな航空会社にどんな機体が入っただとか、シートが変わっただとか、新路線が就航しただとか、どんなホテルがどこにオープンしただとか。さらには空港のセキュリティ情報だとか、飛行機関係の事故だとか。一口に「旅行」がテーマのニュースサイトといっても、幅広い分野をカバーしているのだなぁと感心する毎日です。

日系航空会社の顧客囲い込み戦略がヒートアップ!!

 さて、今日はその平日につぶやている旅情報の号外として、次のような内容をつぶやきました。

【号外】ANAの2010年プレミアムポイントボーナスキャンペーン !国内線*1プレミアムポイント10%UP、国際線はマイルが2倍!←NH★DIA会員は250%アップ!! http://bit.ly/avLLY6 http://bit.ly/drCywP

 これ、びっくりしたんですが、現在ANAでは「ダブル<ス>マイル」というダブルマイルキャンペーンを4/1からスタートするんですが、それに加えて、上級会員にさらに国内線はプレミアムポイント、国際線はダブルマイルキャンペーンが適用されるわけですよね(http://bit.ly/avLLY6 http://bit.ly/drCywP )。つまり、NH★DIA会員は、フライトマイルが4.5倍(ダブル[ス]マイル:ダブルマイル=200%+ボーナスCPN:250%)溜まるってこと??*2いったいどれぐらいマイルがたまるのか、考えるだけでよだれが……いや(笑)恐ろしいです……。
 しかも、JALも同じようなCPNをやっているようなので、どちらも顧客の囲い込みに必死だなぁという印象を受けます。実は昨年、米系の航空会社がかなり頻繁にオープンなステータスマッチを繰り広げていたのですが、それに似たような感じ……。ただ、日本の場合はステータスではなく、フライトマイルやEQMというのがお国柄なのかもしれませんね。

 というわけで、そんな内容で平日は更新してますので、もしご興味がある方は以下のURLからフォローしてみてください。そして、気になるニュースがあったら、お気軽にお声がけくださいね!

http://twitter.com/tabino_konomi

 明日はマレーシア航空に電話をするので、MH ASEAN PASSの続きを書きたいなぁと思っております。ほんとにほんと!!
 では、また〜!

*1:つぶやいたときは国内線と書いていたのですが、実はこれ、国内線と国際線両方が対象でした。すみません

*2:この認識で合ってます?