シンガポールとマレーシアの国境を越える(その1)

 やっと旅行記に入った連載ですが、よくよく思い返すと寝てばかり(笑)で、私って旅をしながらこんなに寝てるんだ!と今更ながら、だらしがないなぁと思います。まあ、私は寝ることがもともと好きなので(これも趣味?)、旅をしながら睡眠の欲求も満たしているような気がします。


 あと、週末旅行って結構あわただしいんじゃないの?と思われる方もいるでしょう。確かに長期の旅行に比べればあわただしいと思いますが、スケジュールを見ていただくとお分かりのとおり、それほどギチギチに組んではいません。スケジュールとはいっても、これもかなりアバウトですし、少なくともいわゆるツアーよりも忙しいことはありません。ちなみに、街歩きに疲れたらすぐカフェで休んでしまったり、観光もおもしろくないと思えばさっさと切り上げてしまったりと、かなりこれも適当です。あと、お恥ずかしいことに私は朝がとても苦手なので、早起きの必要がなければ結構遅くまでホテルで寝てることもあります。さらに付け加えると、寝坊してバスや飛行機に乗り遅れたことも何度もあります(笑)。さすがに日本への帰国便に乗り遅れることはないですが(昔はこれもありましたが、さすがに大人なので今はないです)、とにかく、かなりだらしがない旅行者であることは間違いありません。

記事はこちら→http://journal.mycom.co.jp/series/travelguide/009/

マレーシア・シンガポール間の国境を超える方法

 マレーシアとシンガポール間の国境越えの方法は大きく分けて次に挙げる4つがあります。

  1. 鉄道
  2. 飛行機
  3. 自動車(バス、タクシーなど含む)
  4. 徒歩*1

 今回の連載では鉄道と飛行機を選びましたが、それを含めた方法についてもここでまとめて説明しておきます。ちょっと長くなるので、今回は鉄道と飛行機を取り上げます。なお、ここでの国境越えはシンガポール⇔クアラルンプールの旅程を想定して話を進めます。

鉄道を使った国境越えはマレーシア側からが断然お得!

シンガポール側から
 MRTのタンジョン・パガー(Tanjong Pagar)駅より歩いて15分ほどで、KTM(マレーシア国鉄)のシンガポール(Tanjong Pagar)駅に着きます。結構分かりにくいので、迷ったら周りの人に聞いてみましょう。しかし、なぜか「シンガポール駅はどこですか」と聞いても、すぐに通じないことも多いです。その際は「MRTじゃなくて、KTM、つまりマレー鉄道! ジョホール・バルに行く列車に乗りたい!」などと口走ると分かってもらえます(経験済み)。つまり、現地の人には、あまり認知されていない駅のようです(笑)。
駅の地図はこちら→http://maps.google.co.jp/maps?q=1.27289313535017,103.837730884552&z=15


シンガポール駅構内はマレーシアの領土とされていることから、プラットフォームに入る際にマレーシアへの入国審査が行なわれ、シンガポールの出国審査は、シンガポール駅発車直後にまず止まるウッドランズチェックポイントにて行なわれます。
なお、シンガポール駅におけるマレーシアの入国審査ではパスポートに入国のスタンプは押されません。
その場合、マレーシア出国時にイミグレーションで「列車で入国した?」と聞かれたり、入国時に使ったマレー鉄道のチケットを見せるように言われることもあるので、マレーシア出国時まで使用済みマレー鉄道のチケットは保存しておきましょう。


*マレーシア側から
 マレーシア側からの列車による国境越えでは、ジョホール・バルからシンガポールまでしか乗ったことがないのですが、その際はマレーシアの出国審査とシンガポールの入国審査がウッドランズチェックポイントで同時に行なわれました。


*価格(Second Classの場合)
シンガポール→クアラルンプール=34シンガポールドルSGD)=約2500円
クアラルンプール→シンガポール=34マレーシアリンギット(MYR)=約1040円

同じ数字でも“通貨”が違うので、日本円に換算すると往路/復路価格にこんなに差が出てしまいます。これは意外な盲点でした。
この価格は、eチケットで予約/購入する場合にも適用されます。決済に使われる通貨はマレーシアリンギットですが、シンガポールドルの金額をわざわざマレーシアリンギットに換算して決済される仕組みです。
このように、マレー鉄道はマレーシア側から乗ったほうが断然お得なので、少しでも節約されたい方は「マレー鉄道はマレーシア側から乗る」と覚えておくとよいでしょう。


*チケットの購入方法
 チケットのもっとも簡単な購入方法方法は、KTM(マレーシア国鉄)のホームページからのオンライン予約/購入です。シンガポール⇔クアラルンプールのマレー鉄道は1日往復3便(うち1便は夜行)しかなく、土日はかなり混むので事前予約をオススメします。オンラインによる購入可能期限は列車出発の24時間前までです。それ以降は駅窓口での直接販売のみになります。なお、オンライン予約/購入可能なのは、長距離の特急列車のチケットのみになります。
 予約/購入したeチケットは、控えを印刷して持っていくとそのままチケットとして使えます。

KTMのWebサイトはこちら→http://www.ktmb.com.my/

LCCとナショナルキャリアから選べる!飛行機を使った国境越え

 以前、シンガポール⇔クアラルンプール間の航空路線は、マレーシア航空とシンガポール航空がだいたい1時間おきぐらいに飛ぶ“シャトルフライト”と呼ばれる、特別な割り引きのフライトにより独占されていました。しかし、これもオープンスカイ(ここを参照)により、今年から他社も参入できるようになりました。そして、まず新規参入したのがエア・アジアです。現在、エア・アジアのシンガポール⇔クアラルンプール間のフライトは1日2便あります。そのほかのLCCのフライトには、タイガー・エアウェイズシンガポール航空が出資しているLCC)と、ジェットスター・アジア(カンタス航空LCC子会社)が、現在のところ1日1便ずつあるようです。
 前述したオープンスカイにより、マレーシア航空とシンガポール航空の“シャトルフライト”による独占フライトはなくなったのですが、現在でもシャトルフライトと同様のフライトスケジュールは維持されています。


 飛行機を使った国境越えは空港での出入国なので、特に目新しいことはありません。強いて言うなら、クアラルンプール国際空港(KLIA)のLCCT(エア・アジア専用のローコストキャリアターミナル)は以前倉庫として使われていたところだそうで、KLIAと比較するとびっくりするほどショボイです。なお、エア・アジアのフライトは、シンガポール側ではチャンギ国際空港のターミナル1を使います(チャンギ国際空港にも格安航空会社専用のターミナルはあるのですが、エア・アジアは通常のターミナルです)。


 エア・アジアを使う際に1つ注意しておきたいのが、制限エリア(Airside)で乗り継ぎ(トランスファー)ができないということ。乗り継ぎがある場合は、どの国でも1度入国してから、一般エリア(Landside)にあるカウンターでチェックインし、搭乗券を出してもらう必要があります。これはエア・アジアから他社に乗り継ぐ場合も、他社からエア・アジアへ乗り次ぐ場合も同じです。なぜかと話を聞いたところ、エア・アジアと他の航空会社との間には制限エリア内で乗り継ぎとして搭乗券を発券する契約がない(すみません、詳細はよく分かりませんでした)のだそうです。一度入国しなくてはならない手間がかかることから、エア・アジアとの乗り継ぎには時間の余裕を持つようにしたほうがよいでしょう。なお、同じくLCCジェットスター・アジアも使ったことがあるのですが、この場合は制限エリア内での乗り継ぎが可能でした。


*価格
 航空券は、いつ、どこで買うかによってかなり価格に差がでてくるので、ここで示すのは大体の値段になります。
 ここで示した価格以下で購入できることもありますし、これ以上になることももちろんありますので、それは各自確認してください。
また、シンガポール側からよりもマレーシア側からのフライトの方が、すこーし価格は安いように思います(きちんと調べてないので、あいまいですみませんが、為替相場が関係しているのだと思います……)。
 エア・アジアはスケジュールが決まったら、なるべく早くWebサイトからフライトの予約/購入を行なったほうが安くなるようです。また、期間限定で無料航空券や期間限定で超低価格で購入できることもあるので、こまめにチェックしてみるとよいと思います(航空券が無料でも、空港使用料や燃油サーチャージ、その他諸税がかかりますので、完全に無料で購入できるとことはありません)。
 シンガポール航空/マレーシア航空のチケットは、エア・アジアに比べるとかなり高くなりますが、頻繁にフライトがあるかつ空港ですぐにチケットを買えるので、とりあえずお金に余裕があって急いでいる場合は非常に重宝します。


●エア・アジアを使った場合=6000〜1万円程度
シンガポール航空/マレーシア航空を使った場合=1万8000〜2万円程度


エア・アジアのWebサイトはこちら→http://www.airasia.com/
シンガポール航空のWebサイトはこちら→http://www.singaporeair.com/
マレーシア航空のWebサイトはこちら→http://www.malaysiaairlines.com/


 次回は、自動車と徒歩でのマレーシア・シンガポールの国境越えについて紹介します。飛行機、鉄道と比較すると、よりお得に国境を越えられますので、経済的な国境越えを希望している方はこちらをチェックしてみてくださいね。



先日訪れた台湾の淡水(台北からMRTで30分ぐらい行ったところにある、淡水河の河口に近い港町)の夜市にて。ポテトチップスのとぐろ巻き?

*1:徒歩は2008年末より禁止されることになりました