自動化ゲートとe-channelの利便性を比較(その2)

tabino_konomi2010-02-03


 前回から、先日の週末旅行ではちょっとした時間短縮に役立つかと思われる、日本の「自動化ゲート」と香港の「Frequent Visitor Automated Passenger Clearance System」(e-channel)の2つの登録をしてみたという話をしていますが、今回は香港編(e-channel)です。日本編(自動化ゲート)の話はこちら

FFPの上級会員も対象となるFrequent Visitor Automated Passenger Clearance System

 自動化ゲートと同じくe-channelもそれなりに知ってる方がいると思うのですが、e-channelとは、香港の出入国管理システムの総称です。e-channelには大きく分けてAutomated Passenger Clearance System(旅客向け)とAutomated Vehicle Clearance System(車両向け)の2つがあるのですが、空路の場合は前者を使います(って当たり前ですけど)。
→e-channelの詳細はこちら

 残念ながら日本語のページは用意されていませんが、今回私が登録したのは「Frequent Visitor Automated Passenger Clearance System」です。このシステムを利用するには、以下の内容を満たしている必要があります(Webサイトより抜粋)。

  • 18歳以上であること
  • 有効な旅券(パスポート)、またはVISAを持っていること

この2点に加えて、以下の中から1点を満たしている必要があります

  • HKSAR Travel Passを持っていること
  • APEC Business Travel Card(HKG)を持っていること
  • HKIA Frequent Visitor Cardを持っていること*1
  • このシステムに合意しているFFP*2のカードを持っていること

 この4つのうち、上から2つはビジネス用途のカードなのですが、それ以下の2つは観光客なども対象となっています。私は4番目のFFPのカードを持っているため、システムに登録できることが分かりました。なお、このFFPのカードを使った登録は、大抵が上級会員を対象にしているようです。私はANAキャセイ・パシフィック航空のFFPで上級会員ですが、会員用のWebサイトには香港国際空港(HKIA)でFFPのカードを持ってEnrolment Officeに行くと登録できることが記載されています。他のFFPに関して確認してはいませんが、恐らく香港線を持っている航空会社なら、このシステムに合意しているのではないかと思われます。

すっごい快適なe-channel

 さて、申告方法ですが、香港に到着したら上記に上げたパスポート+1点を持って到着ロビー(Arrival Hall)にあるEnrolment Officeに自分で出向きます。その場所はこちらの地図にありますが、Immigration前とImmigration後に数箇所存在しますので、都合が良いところに出向けば良いと思います。私は早速使ってみたかったので、Immigration前のEnrolment Officeに行きました。そこで行なうことは次の3つです。

  • 両手の人差し指の指紋登録
  • 写真撮影*3
  • 登録用紙へのサイン

 登録が終わるとバーコードが発行され、それをパスポートの裏表紙に貼ってくれます。登録したデータをサーバーにアップロードするのに5〜10分ほどかかるとの話だったのでしばらく空港をブラブラしていたのですが、おおよそ10分後にはe-channelが使えるようになっていました。プロセス自体に難しい内容はまったくありません。ちょっとびっくりしたのが、自分が記入しなくてはならないのが、登録用紙へのサインだけということ。登録用紙には、係員が入力してくれた自分のパスポートのデータが出力されているのでそれにサインして、同じ内容が記載されている登録用紙のコピーをもらって終わりと、本当に楽ちんです。ただし、やり取りはすべて英語になります(中国語はもちろんOKだと思います)。
 使い方に関してはこちらにビデオがあるので、ぜひご覧ください。私は口頭で説明されたのですが、とても分かりやすく、特に問題なく使い始められました。また、通過速度も日本よりも速いと思います。

 そもそも香港では、香港在住民の多くがe-channelをすでに使っているようで、多くのレーンが設置されています。また、通常の対面式の入国審査はいつもかなり並んでいることが多いのですが、e-channel用のレーンは空いているので、あっという間に出入国できるのがとてもうれしい。
 こうなってこそ、日本の自動化ゲートも意味があるような気がするのですが……。どうでもいい話ですが、日本の自動化ゲートで使っている機器というのは、それなりに高性能なんじゃないかと思っています。日本はそういうところは結構きちんとしてそうだから。でもね、ハードがいくら良くても、簡単に使えなかったり、普及性がなかったりするのは、設置する意味がまったくないんじゃないかなと思うんです。もう少しその辺のこと、ほんと考えてほしいんですよね。じゃないと、もっと観光客が日本に来ないんじゃないのかなーと思ったり。

 このエントリーのタイトルにした利便性に関しては、香港のe-channelに利があるというのは明白だと思うのですが、それで終わりにしてしまっては、単なる日本の自動化ゲート批判になってしまうので、あえて一言。やはり私は日本人なので、日本の自動化ゲートがもっと便利になってほしいですし、ぜひ意味のある機器として多くの人に使われるようになってほしいと心から願っています。そうしたら、みんなもっと旅行に行きたいって思えるんじゃないのかなー。あと、指紋採取っていうプロセスがありますが、これは賛否両論かと思いますし、考え方もあると思います。私個人としては、自分の旅行に都合が良い手段を常に選びたいので、指紋採取に関しては特に気にとめることなく現状を受け入れています。
 今日の写真は、香港のe-channelの登録時にもらうステッカーと入国時にもらうステッカーです。入国時のステッカーはスタンプと同じ役割を果たすので、入国後に自分でパスポートに貼っておきます。

 では、また〜!

*1:これは以前から発行されていたFrequent Visitor用のカードで、過去12ヶ月以内に3回以上香港に入国した旅客を対象としていました。現在はe-channelに切り替わっているようです

*2:Frequent Flyer Program、いわゆるマイレージサービスのこと

*3:私はメガネをかけているのですが、メガネを外した状態とメガネをかけた状態の2枚が必要でした