上級会員への道のり〜株主優待券を使ってEQMを効率よく稼ぐ

tabino_konomi2009-05-25

 さて、前回はマイレージサービス会員の中でも、よく利用する顧客に絞ってさまざまなサービスを提供する「上級(エリート)会員」について簡単に説明しました。もっと上手く説明できればよかったのですが、まあ、上級会員っていうのは、簡単に言うと旅好きならなっておくと色々とお得に旅ができちゃうよっていう感じですかね。マイレージサービスによって提供される内容は違うのですが、いわゆる上級会員になると得られるサービスというのは、次に挙げるようなものです。

  • 自分が入ってるマイレージサービスの便を使えば使うほど、平会員よりもマイルが貯まる
  • 空港でエアラインラウンジが使える
  • キャンセル待ちで優先的に席がまわってくる
  • 座席指定では前方を指定できる
  • インボラアップグレードの確率が高くなる
  • その他、上級会員のみのキャンペーンなどが結構おいしい

 マイレージサービスによって、提供されるサービスは異なるので、自分が入っている航空会社のマイレージサービス内容はご自身で確認してくださいね。そして、その上級会員になるためのポイントは次の2つです。

  • 実際に飛行機に乗ってのみ得られる上級会資格取得対象のマイル(EQM)やポイント(EQP)を貯めなくてはならない
  • それ以外のマイルをいくら貯めても、上級会員にはなれない(つまり、いくら陸マイラーをがんばっても上級会員にはなれない)

 今回は具体的にどうすればEQMを効率よく貯められるのか、そんなことについて書いてみたいと思います。恐らく、この時期にこんな話をするなんて、もしやアノ話か?と思われた方、超スルドいです! 本当はもう少し早くその話をしたかったのですが、こんな時期になってしまいました。分かった方はもう説明は不要でしょうが、もし分からなかった方、ぜひ最後まで読んでみてください。

JALANAで上級会員を目指す人におススメ!「株主優待券」を活用しよう

 はい、アノ話です(笑)。これは、JALANAで上級会員を目指したことがある方なら、かなりの割合で通っている道だと思います。

 まず、株主優待券について簡単に説明をしておきたいと思います。JALANA東証一部上場企業ですが、株を買って株主になると、株主優待というプレゼント的なものがもらえます。そして、そのプレゼント(株主優待)とは、航空料金が正規運賃の50%割引になる優待券です。この優待券ですが、株主でなくても手に入れられます。その方法とは、株主の方が金券ショップに売ったものを購入したり、オークションサイトに出品されたものを落札するという方法です。

 この株主優待券を使って発券する航空券には、次の特徴があります。

  • 正規運賃とほぼ同等に扱える
  • ANAの場合)プレミアムクラス*1が+5,000円で利用できる*2
  • OPEN発券した場合、90日間有効*3
  • マイル加算率は75%(正規運賃は100%)
  • プレミアム株主優待割引運賃の場合のマイル加算率は125%(正規運賃は150%)

 この特徴のうち、「正規運賃とほぼ同等に扱える」というのは、一度入れた予約を何度でも変えることができる、払い戻しができる(手数料が必要)という、変更と払い戻しに関する条件が正規運賃とほぼ同じであるということです。詳しくは各航空会社のWebサイトで確認してください。

JALhttp://www.jal.com/ja/ir/yutai/yutai.html
ANAhttp://www.ana.co.jp/dom/fare/guide/sf.html

 OPEN発券というのは、日にちを指定せずに航空券を購入することです。OPENで発券すると、株主優待券で航空券を購入した日から、90日間自由に予約を入れることができます。その予約の入りやすさは正規運賃とほぼ同じ。今日使おうと思ったら空席さえあれば乗れるので、自由度がかなり高いチケットであると言えます。

 この株主優待券ですが、期限が毎年5/31までになっているため、5月に入るとその値段がガクッと下がります。それを購入して5/31までに航空券をOPEN発券しておけば、8月下旬まで使用することができるため、EQMを効率よく稼ぎたい空マイラー*4は、この時期を狙って株主優待券を金券ショップでがっぽり買い、5/31にOPEN発券しているようです。

株主優待券を使うとどれくらいEQMは効率よく貯められる?

 さて、この株主優待券がEQMを稼ぐのにどのくらい効率よいかをいわゆる割引運賃と比べてみたいと思います。私の場合はANAマイレージクラブ会員ですので、ANAについてのみ書いておきたいと思います。恐らく、こういった内容を細かく調べている方がいらっしゃると思いますので、ここでは簡単な概要だけを述べ、詳しくはそういった方のWebサイトなどをご覧いただければと思います。

東京(羽田)⇔沖縄(那覇)7〜9月の運賃より(ピークシーズンの7/17〜8/31除く)

●旅割*5の場合

航空券価格:15,100〜34,400円(便によって変動あり)
獲得マイル:738マイル
プレミアムポイント(EQM):1476ポイント

株主優待券を使った「株主優待割引運賃」の場合

航空券価格:株主優待券+21,550円(便によって変動なし)
獲得マイル:738マイル 
プレミアムポイント(EQM):1476ポイント

 え〜旅割とマイルもプラチナポイントも同じじゃないか!と思われるかと思いますが、旅割は価格が安いならではの次のような制限があることをお忘れなく。

  • 28日前までに購入/発券が必要
  • 一度予約した日時の変更は不可(変更の場合は払い戻しが必要。払い戻し手数料は価格の50%に相当)
  • 利用便によって価格の変動が大きい

 株主優待券を使った場合は、上記の制限は一切ありません。

 さらに、この株主優待券がもっとも威力(笑)を発揮するのは、プレミアムクラスを利用する場合です。同じく羽田⇔那覇で比較してみたいと思います。

●プレミアム特割7*6

航空券価格:40,000円(便によって変動なし)
獲得マイル:1230マイル(加算率125%) 
プレミアムポイント(EQM):2460ポイント+400ポイント(プレミアムクラス搭乗ポイント)
=2860ポイント

株主優待券を使った「プレミアム株主優待割引運賃」場合

航空券価格:株主優待券+26,550円(便によって変動なし)
獲得マイル:1230マイル(加算率125%) 
プレミアムポイント(EQM):2460ポイント+400ポイント(プレミアムクラス搭乗ポイント)
=2860ポイント

 プレミアムクラスを利用した場合は、同じマイル、同じポイント数であっても、株主優待券を使った方が効率よいということがお分かりになると思います。

 まあ、現実的じゃないですが、もし羽田⇔那覇便だけで上級会員を目指すとすれば、ANAの場合、17フライトでプラチナメンバー資格のEQMを達成できます。その金額はずばり!

450,500円株主優待券代金

 これって、安いんだか、高いんだか……ちょっと理解に苦しむところですが……。

ところで、株主優待券っていくらで買えるの?

 最後に株主優待券っていくらで買えるのかというところですが、先に書いたとおり、今が買い時です! なんと、その価格はANAで2000円程度、JALで1000円程度で買えます。私が知っている限り(5月25日)現在の相場がこれぐらいのようなので、価格は流動的と思ってください。

 そして、その金額を含めてみると、ズバリ!

航空券代金:450,500円+株主優待券代金:34,000円(1枚2,000円で計算)
484,500円

 50万円以下で上級会員が手に入る!というわけです。
 ちょっと極端な話ですが、例として取り上げてみました。

 というわけで、今回は株主優待券を使ったEQMの効率の良い稼ぎ方について書いてみました。実際のところ、これだけで上級会員になっている人というのは少ないと思いますが、株主優待券が実はお得だということはお分かりいただけたと思います。私も毎年カンフル剤(笑)のように、羽田⇔那覇の「プレミアム株主優待割引運賃」を1往復だけ使っています。JALのEQMの効率よいため方はまた違うのかもしれませんが(すみません、そこまで詳しくないんです……)、ANAの場合はこの手を使っている方が多いようです。

 というわけで、今年上級会員を目指す方は、金券ショップに走ってみてはいかがでしょうか?
 さらに株主優待券が安くなっているかもしれません!

*1:国内線のビジネスクラスのようなもの

*2:「プレミアム株主優待割引運賃」にて発券が必要。当日のアップグレードは+7,000円

*3:ただし、ノーマルシーズンで発券してピークシーズンに使用する場合は差額が必要

*4:飛行機に乗ってマイルを稼ぐ人をそう呼ぶみたいです。「陸マイラー」の反対語?

*5:事前購入型の割引運賃

*6:利用7日前までの事前購入型の割引運賃