こんな週末海外旅行はいかが?(その1)

tabino_konomi2009-04-08

 ご無沙汰しております。相変わらず亀の歩みのブログですが、4月に入ってからは燃油サーチャージがドーンと下がったので、そろそろ海外旅行でも……と思われる方も多いのではないでしょうか? 私もその1人(私の場合は“そろそろ”ではなく、“常に”ですが……)として、毎日旅の妄想をしております。

 昨年は飛行機に乗りすぎ(笑)たので、ありがたいことにANAマイレージクラブのプラチナサービスメンバーになれました。早速その恩恵を受けながら旅をしているのですが、どうやら上級会員になったがために旅のプランニングを色々と縛ろうとする自分がいることに気が付きました。とにかく、ANAまたはスターアライアンスANAの加盟しているアライアンス)のフライトを無意識に選ぼうとするんですね。まあ、国内線に限ってはANAをなるべく使うと決めているので、それ以外は今までと同じように、「自分に都合が良いタイムスケジュールのフライトを、もっともお得な価格で手に入れること」をモットーに旅を組み立てるようにはしているんですが……と、たわごとはこの辺で終わりにして、海外発券を利用した週末海外旅行プラン例を紹介したいと思います。その前に今回は、書いておきたかった海外発券のメリットデメリットと、日本の海外航空券の謎について思ったことをちょっとまとめておきます。

海外発券て何?

 まず、プランを紹介する前に、そもそもの「海外発券」について解説します。海外発券とは、日本以外の国で航空券を発券し、現地通貨で決済することです。航空券の価格と言うのは、現地の物価水準に合わせて付けられています。価格そのものは国策によって管理されており、各航空会社が日本における割引航空券の価格(いわゆる格安航空券ではなく、PEXのような正規割引運賃)を決定する場合も、政府による認可が必要です。そして、現在のように円高が進むと(最近はちょっと円安気味ですが……)、海外発の航空券を日本円で買うと当然為替メリットが出てきます。その最たる一例が、前回挙げた世界一周運賃の航空券の価格です。そして、“為替メリット”を活かしてお得に航空券を買うことが海外発券の最大のメリットだと言えるのではないでしょうか。

世界一安くて、世界一高い?!不思議な日本の格安海外航空券

 日本以外の国で航空券を買うようになってから気が付いたのは、日本の格安海外航空券というのは、世界一安くて、世界一高いのではないかということです。その理由を話す前に、まずは航空券の有効期限の種類を簡単に説明したいと思います。ご存知の方も多いと思いますが、航空券の有効期限には大きく分けて2種類があります。1つは「FIX」、もう1つは「OPEN」です。FIXというのは、予約時にすべての日付を決めて航空券を購入し、予約/発券後は航空券の日付を変更できないというもの。一方OPENというのは、予約/発券後であっても、有効期限内であれば自由に日付を変更できる航空券のことです。次に特徴を簡単にまとめておきましょう。

  • FIXの特徴

 価格がOPENよりも安い
 有効期間が短いものが多い(多数は7日〜1ヶ月程度)
 時期による価格の変動幅が大きい

  • OPENの特徴

 価格がFIXよりも高い
 有効期間が長いものが多い(多数は14日〜1年程度)
 時期による価格の変動幅が小さい

日本で売られている格安航空券や安いPEX系の航空券はそのほとんどがFIXです。たまにOPENのものもありますが、その種類はとても少ないかつ価格も高いので選択肢に上がることはあまりないでしょう。また、そういったチケットが存在していること自体を知らない方も多いのではないでしょうか。

 いわゆる閑散期における海外格安航空券の底値は、同じ時期で世界中の格安航空券価格と比較しても、日本はもっとも安い国の1つでしょう。しかし、ゴールデンウィークやお盆、年始年末の格安航空券価格はどうでしょうか。底値の倍どころか、数倍になっていることも少なくありません。この時期は、世界中の格安航空券と比較すると、もっとも高い国の1つになると思うのです。これが、日本の航空券というのは、世界一安くて、世界一高いのではないかと思う理由です。

 海外で航空券を買うようになると分かるのですが、海外発券の航空券はそのほとんどがOPENです(もちろんFIXのものもありますが、復路を手数料を払うことで変更できるものも多いです)。しかも、海外にはゴールデンウィークやお盆は存在しませんから(笑)、その時期になっても価格が跳ね上がることはありません(ただし、その国特有の行事、例えば旧正月春節時期やクリスマス前後などは価格が上がることはあります)。また、土日割り増し料金などはほとんど存在せず、料金ゾーンはハイシーズン、(ミドルシーズン)、ローシーズンなどで、その価格の変動幅は日本のように倍にまでなることはなく、あっても上限は日本円で数万円程度。そしてチケット自体はOPENなので、予約の変更も自由自在。海外発券した航空券の自由度を一度味わってしまうと、日本の航空券の数々の縛りがばかばかしく見えてきちゃうのです。

海外発券はどんな時に“お得”なのか

 確かに海外発券の航空券の自由度は多くの場合、日本で発券するよりも高いのですが、実際にどんな時に“お得”となり得るのでしょうか。これは、次の3つが当てはまると思います。

  1. 日本でのピークシーズン中
  2. 為替メリットが大きいとき
  3. (日本を経由しての)数カ国の周遊(世界一周航空券なども含む)

 まず、1番目の日本でのピークシーズン時は、海外発券したほうが確実に安くなることが多いです。ただし、閑散期に関しては、日本の方が安い航空券が見つかる確率が高いと思います。また、2番目はその見極めは難しいものです。私は為替に関してはエキスパートではないので断言はできないのですが、今はまだ、ある程度の為替メリットがあるように見えます。そして3番目は、これはルートにもよるのですが、例えばバンコク(タイ)⇔日本⇔アメリカのように、大陸をまたぐような周遊にはかなり有効だと思います。逆に、ここに挙げていない時期やルートについては、逆に日本で発券した方が得なことも多々あります。購入したい航空券の運賃規則や予約クラス(ブッキングクラス)、価格そのもの、為替メリット、ルーティングなどを比較しながら検討されると良いのではないでしょうか。

海外発券のチケットの購入方法と使い方

 最後に、いったい海外発券のチケットってどうやって買って、どうやって使うの?という疑問があると思うので、それを簡単に説明したいと思います。

 まず、海外発券ではかなりポピュラーなバンコクと日本の往復を例に取りたいと思います。最初に用意するのは、海外発券のバンコク発日本行き往復航空券です。これは、バンコクにある旅行代理店(海外には日本語が通じるところが多々あるので、そういったところを選ぶと良いでしょう。具体的にはWebで検索するとすぐに出てきます)や、航空会社のWebサイトから購入できます。航空会社のWebサイトは、日本語表示の場合、海外発の航空券を検索できないこともあるので、「グローバルサイト」や発券したい国のローカルサイトから購入しましょう。この場合は英語で購入になることも多いのですが、それほど難しいことはありません。分からない単語は辞書サイトなどで調べながら進めれば、特に問題なく購入できると思います。最近の航空券はほとんどがEチケット化されているので、旅行代理店で購入した場合も航空会社のWebサイトで購入した場合も、Eチケットの控えをメールで受け取ることができるでしょう。そして、次は日本発バンコク行きの往復航空券を購入します。

 バンコクまでの航空券は格安航空券で復路を破棄する(そして、バンコク発券した航空券の往路を使って帰国する)というのも1つの手ですが、復路を破棄するとペナルティが科せられることがあるので、できれば避けたいところです。そこでおススメなのが、マイルを使った特典航空券です。実はこのチケット、1年OPENのチケットのようなもので、旅行開始日から1年有効です(ANAの場合)。ここまでに、バンコク⇔日本(バンコク発券)、日本⇔バンコク(日本で発券した特典航空券)の2往復のチケットが用意できたと思います。これをバラしてみると……

バンコク発券した航空券 バンコク→日本 日本→バンコク
・日本で発券した特典航空券 日本→バンコク バンコク→日本

 これを次の順で使っていきます。

  1. 日本→バンコク
  2. バンコク→日本
  3. 日本→バンコク
  4. バンコク→日本

 つまり、日本⇔バンコク往復が2回できるわけです。しかも、バンコク発券したチケットがOPENならもちろん、特典航空券も自由に予約を入れなおすことができるので、最大1年の間に時期を選ばず、好きな時に2回往復できてしまいます。ただし、空席がないと予約は取れないので、その点に注意は必要です。とは言っても、海外発券のチケットは予約(ブッキング)クラスが日本発券の格安航空券と比較して高めなので、予約も比較的取りやすいです。

 まあ、1年に2回も同じところに行くっていうのは、あまり現実的ではないと思うのですが、結局の話、海外発券というのはこういった使い方をしたい人(海外旅行に頻繁に出かけたい人)に限ってお得であるというのが結論です。つまり、海外発券のデメリットは、同じ場所に二度以上も行きたくない人(つまりは、一度限りで良い人)にとっては、残念ながらあまり意味はありません。ただ、上記に挙げたのは単なる日本⇔バンコクの単純往復なので、大抵はこんな単純な使い方はせず、もっと複雑なルーティングにして、ついでにマイルも稼ぐ方法をさぐっていることでしょう(私もそうですが)。

 「海外発券って安くていいよ!」って、どこかで聞いたからぜひやってみたいと思っている方もいるかもしれませんが、1年に1度ぐらいの旅行ならば、世界一航空券が高くて安い(笑)日本で買ったほうが断然お得だと思います。閑散期だったら、ほんとにお安いですし★ ただし閑散期に加えて、ピークシーズン「も」お得に旅行したいって方は海外発券も視野に入れてみてください。

 次回は海外発券を使った旅行プランを1つご紹介します。ただし、3泊4日以上じゃないとあまり意味がないプランなので、私が提唱したい「土日の週末+有給1日」で実行するのは現実的ではありません。でも、個人旅行だからこそ味わえるちょっと贅沢な旅なので、もし気になる方はぜひ参考にしてみてください。ではまた〜!